2025 Formula Gymkhana Rd.1

2025年 Formula Gymkhana Rd.1プレビュー

進化する学生ワンメイクジムカーナ大会

2023年の初開催から3年目を迎える学生自動車部のためのワンメイクジムカーナ大会「Formula Gymkhana」の予選会Rd1が、今週末の5月10日-11日に鈴鹿ツインサーキット(三重県)で開幕する。今季も3回の予選会が各地のサーキットや特設コースで実施され、出場校は11月1日-2日に富士スピードウェイで行なわれる決勝大会を目指す。
予選会は学生ドライバーの運転技術のみを競う公平なフォーマットと、低コストで参加できる支援体制で注目を集めている。

2025年度の主な変更点

今季も男子クラスの車両はTOYOTA GAZOO Racing様からご協賛頂き、従来の「TOYOTA VITZ GRMN」から「TOYOTA GR86 ATモデル」へと一新された。FFからFRに変更された駆動方式、さらにMTからATとなったトランスミッションなどの攻略が試される。女子クラスは引き続き日産自動車様にご提供いただくNOTE AURA nismoを使用する。また参加資格が拡大され、従来の4年制大学だけでなく、短大、専修学校、専門学校からも参加が可能となり、より多様な学生がチャレンジできる場となった。
選考方法にも変更があり、書類選考による1次予選と、シミュレータでのタイムアタック形式の2次予選を実施。勝ち抜いた各校がRd.1鈴鹿ツイン(5/10-11※本大会)、Rd.2エビス(6/28-29)、Rd.3奥伊吹(9/27-28)で開催される予選会に進める。そして本年の決勝大会は昨年の奥伊吹モーターパークから変わって、新開催となる富士スピードウェイ(11/1-2)にて予定されている。

2025年度の大会スケジュール

日程 大会 場所
2025年 5月10日 - 11日 予選会Rd1 鈴鹿ツインサーキット
2025年 6月28日 - 29日 予選会Rd2 エビスサーキット西コース
2025年 9月27日 - 28日 予選会Rd3 奥伊吹モーターパーク
2025年 11月1日- 2日 決勝大会 富士スピードウェイマルチパーパスコース

Rd.1鈴鹿ツインの注目校と見どころ

2次選考を勝ち抜いた13校が本大会への出場権を獲得した。今大会の注目は、2次予選をトップ通過した初出場の新潟大学だ。シミュレータでの高い実力が、実際のコースでどう発揮されるかに注目したい。また昨年の全国大会で2位に入賞し、昨年も鈴鹿ツインラウンドから勝ち上がった実力校の横浜国立大学が2位で通過。3位で通過した金沢大学も初出場ながら高いポテンシャルを見せており、新星と実力校の激しい争いが予想される。

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Formula Gymkhanaの魅力

大会の特徴は、完全なワンメイク方式を採用し、参加車両を同一スペックにしていることが挙げられる。大会当日にメーカーから貸与された車両を抽選で割り当てることも、イコール条件に近づける方法だ。タイヤもメーカーから各予選ラウンドごとに新品が提供され、純粋に運転技術のみを競う環境が整えられている。
また、参加する学生の経済的負担を最小限に抑える支援体制が充実している。参加費はチームあたり8,000円(女子クラスは1人2,000円)と破格の設定で、さらに大学キャンパスと会場の距離に応じた交通費補助、ドライバー3名の宿泊と夕食の支給、参加学生および応援学生への昼食提供など、きめ細かなサポートがある。
さらに、自動車産業と学生をつなぐ重要な交流の場としても機能している。カジュアルな環境での企業関係者と学生の対話を通じて、学生は業界への理解を深め、キャリアビジョンを描く機会を得られる。一方、協賛企業にとっては、自動車やモータースポーツに情熱を持つ優秀な学生との接点を持つ貴重なリクルートの場となっている。

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今週末、鈴鹿ツインRdには次世代のモータースポーツを担う若きドライバーたちが集結し、技術と情熱を競い合う。彼らの成長と活躍が、日本のモータースポーツ界に新たな風を吹き込むことだろう。

2025年 Formula Gymkhana Rd.1レポート

開催日:2025年5月10日 - 11日
場所:鈴鹿ツインサーキット・三重県
コース : -
出場校:京都大学、金沢大学、同志社大学、新潟大学、立命館大学、大同大学、横浜国立大学、信州大学、名古屋工業大学、名古屋大学、東海大学、中日本自動車短期大学

2025年 Formula Gymkhana 予選会Rd.1鈴鹿ツイン:初出場の京都大学が優勝&個人ベストの完勝

2023年の初開催から3シーズン目を迎えた「Formula Gymkhana」の予選会Rd.1が、5月10日(土)-11日(日)に三重県の鈴鹿ツインサーキットで開幕した。
今回の予選会を前に、書類選考による1次予選とシミュレータでのタイムアタック形式の2次予選を実施。主に西日本の学校を対象とする予選会Rd.1への応募校の中から勝ち抜いた全12校が本大会へ出場し、11月に富士スピードウェイで開催される全国大会進出の権利が得られるTOP6を巡り、熾烈なジムカーナバトルが行われた。

2025年 Formula Gymkhana Rd.1

2025年 Formula Gymkhana Rd.1 リザルト

順位 大学 A Dr. B Dr. C Dr. 合計タイム
1 京都大学 服部 紡久 袴田 貫太 山田 優斗 4'08.047
2 金沢大学 竹内 琉偉 久保寺 裕斗 奥村 幸輝 4'08.233
3 同志社大学 山本 航平 西尾 崇良 永田 理人 4'08.932
4 新潟大学 横井 和 相京 遼太 土崎 慎 04:09.123
5 立命館大学 堀口 和暉 三橋 亮治 西本 圭佑 04:10.382
6 大同大学 上原 幸太郎 西川 颯 後川内 秀麿 04:12.376

以下、4位:新潟大学(4'09.123)、5位:立命館大学(4'10.382)、6位:大同大学(4'12.376)までが全国大会進出。
7位:横浜国立大学(4'13.171)、8位:信州大学(4'13.245)、9位:名古屋工業大学(4'13.653)、10位:名古屋大学(4'14.664)、11位:東海大学(4.17.114)、12位:中日本自動車短期大学(4'21.350)は、予選敗退となった。

個人ベストタイム

順位 大学名 氏名 タイム
1 京都大学 袴田 貫太 1'19.633

初出場の大学が上位に入り、全国大会への出場権を奪取

競技結果は、各校3名のベストタイムの合計で競う団体戦になる。予選会Rd1は、5月10日(土)が練習日で、11日(日)に2本のタイムアタックが実施された。 3名のドライバーが1本目の計測から着実に好タイムを残し、個人ベストタイムも記録した京都大学が初出場ながら優勝。2番手には、こちらも初出場ながら第2ヒートで躍進した金沢大学がランクイン。昨年は予選会を敗退していた同志社大学が大健闘し3位表彰台を獲得した。シミュレータでの2次予選をトップで通過していた初出場の新潟大学は4番手、5位には立命館大学、6位に大同大学がつけ、以上6大学が全国大会への出場権を手にし、初出場の大学の健闘が目立った。

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優勝校コメント ー 京都大学 ー
「普段からジムカーナ、ダートトライアルに部として参戦しているため、2本で走りを纏めることに慣れていたのが勝因だと思います。シミュレータの2次予選は振るわなかったですが、本大会はトップ通過できて嬉しいです。全国大会ではGR86の特性を最大限に引き出して、活躍したいです」

個人ベストタイムコメント ー 京都大学 袴田 貫太選手 ー
「1本目で好タイムを残せて2本目も攻めることができたことが、ベストタイムの獲得に繋がったと感じています。競技車両のGR86がAT車のためパドル操作のミス等をしないように、落ち着いて運転することが大事だと思いました。スラローム等テクニカル部分で踏み過ぎないように気持ちを抑えられたことも、ベストタイムを残せた要因です」

第1ヒート

11日(日)は、ウェットコンディションが大半を占めた前日の練習セッションから一転、晴天のドライコンディションとなり、適応力が試されることとなった。2次予選の順位を逆にした出走順となるため、大同大学からスタート。まずAドライバーの中で好タイムを出したのは、名古屋工業大学3年の川村選手で、タイムは1'22.827。シミュレータ2次予選での個人ベストをマークしていた新潟大学3年の横井選手が、初出場ながら1'21.459でベストタイムを更新する。全大学のAドライバーが走行を終えBドライバーが出走すると、初出場となる京都大学4年の袴田選手が1'20.760でベストを塗り替える。同志社大学3年の西尾選手は、袴田選手の中間ベストを更新するも痛恨のミスコース、第2ヒートに期待となった。最終Cドライバーが出走すると、立命館大学4年の西本選手が1'19.945を記録し全体ベストを更新。第一ヒートを終えて、初出場ながら3名が安定したタイムを記録した京都大学が4'12.329で1位、第1ヒートの全体ベストを記録した西本選手が所属する立命館大学が4'13.526で2位、2次予選トップ通過の新潟大学が4'14.133で3位につけた。

第1ヒート

第2ヒート

第1ヒートと第2ヒートの合間には、出展企業と学生達の懇親の場が設けられ、多くの参加者が親睦を深めた。 13時30分からは、タイム更新を狙いAドライバーから2回目のアタックを開始。東海大学3年の三木選手は持ちタイムを4秒近く更新する1'20.920の好アタックを見せるなど、各者1本目から大幅にタイムアップし、総合順位も入れ替わっていく。続いて、金沢大学4年の竹内選手が1'21.767を記録し、金沢大学は全体2番手にジャンプアップ。新潟大学も3年の横井選手が1'20.342を記録し1秒程持ちタイムを上げる好走を見せた。

Bドライバーは、京都大学4年の袴田選手が第1ヒート2位の自己ベストを更に塗り替え、1'19.633の全体ベストをマーク。第1ヒートでトップとなった京都大学は、2位以下をさらに引き離す。立命館大学4年の光橋選手も1'21.777を記録し、京都大学とコンマ1秒差の2番手につける。ここで金沢大学2年久保寺選手がベストを更新(1'21.465)し、盤石と思われた京都大学を上回り金沢大学がトップに浮上。全国大会進出圏をかけた6番手のボーダーライン争いも激化し、横浜国立大学2年の國政選手が1本目のミスコースからタイムを残すと、名古屋大学を僅かに上回り6番手となった。

最後のCドライバーのタイム次第で順位が確定するという緊張感に包まれる中、Cドライバーの出走がスタート。大同大学3年の後河内選手が1本目のミスコースからタイムを記録すると、大同大学は大幅なジャンプアップを果たし4番手(4'12.376)につけ、全国大会進出圏内に収まる。京都大学4年山田選手は1'22.429と持ちタイムをコンマ3秒更新すると、再び京都大学が金沢大学を上回りトップに返り咲いた(4'08.047)。

ここから全国大会進出ボーダーラインの6番手が激しく入れ替わることになる。まず名古屋大学4年の萩原選手がタイムを更新して6番手に滑り込んだが、すかさず次走の名古屋工業大学2年越後選手がタイムを更新し、6番手を取り返す(4'13.653)。続く信州大学3年の小林選手がアタックをまとめると、再び6番手が入れ替わる(4'13.245)。この時点で名古屋大学、名古屋工業大学の予選敗退が決まってしまう。また東海大学、中日本自動車短期大学もタイムが伸び悩み敗退となった。一方で、6番手のボーダーライン付近に位置する大学も、後半出走者に第1ヒートで好成績を収めた選手が複数残っており、全く油断できない状況。

そうした中、立命館大学4年の西本選手は、1'19.145と驚異的なタイムを残すが痛恨のパイロンタッチで個人ベストの更新はならず。続く同志社大学2年の永田選手は、コンマ2秒のタイム更新を果たすと2番手(4'09.932) へ浮上。それを更に上回ったのが、金沢大学4年の奥村選手で1本目から1.6秒の大幅なタイム更新をすると、トップの京都大学にはわずかに及ばないものの金沢大学を2番手(4'08.233) に引き上げる。続く横浜国立大学は、4年の加藤選手が1'21.403の好走により、ボーダーラインからコンマ1秒差で6番手(4'13.171)に滑り込んだ。迎えた最終出走の新潟大学3年の土崎選手が約4秒の大幅タイムアップを図り、新潟大学は一気に4番手(4'09.123)に浮上。この時点で昨年の全国大会で2位となった横浜国立大学が7番手、信州大学が8番手に下がり予選会で姿を消した。

第2ヒート

次戦の予選会Rd2は、6月28日(土)-29日(日)に福島県のエビスサーキット西コースにて行なわれる。舞台が東北に移ることで出場校ががらりと変わり、主に関東〜東北圏の学校が出場対象となる。次戦も白熱した学生達の戦いに期待して頂きたい。

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